バランスの良い中世ヒロイックファンタジー「異世界転生騒動記」の感想・ネタバレ

2020年8月27日

異世界転生騒動記のココが面白い

  • 徐々に成り上がっていく主人公たちが丁寧に描かれており面白い
  • 主人公の両親が色んな意味で一番見どころかもしれない
  • 近隣諸国や国内情勢などもしっかり描かれており、常に先が気になる展開を見せてくれる

一見よくある転生して成り上がっていく主人公を描く物語ですが、最初にその他大勢と違うのは主人公の中に3つの魂が共存しているという点です。主人格は元々異世界にいた人間バルドです。その主人公の中に、戦国武将「岡左内」とオタク高校生「岡雅晴」が何の因果か共存しているという状態です。この特徴(内政・外政・戦闘)を活かして、マウリシア王国の辺境貴族から様々な手を駆使して成り上がっていくというのが基本線です。

そして物語の描き方が幼稚ではなく、しっかりと丁寧に描かれており、わりとありがちな展開をしても「またこれかよ^^;」みたいな脱力感みたいなものは感じません。
キャラクターも男女ともにところどころ尖った人物(主人公母とか)がおり、ただ尖りすぎでもなくバランス感覚の良いヒロイックファンタジー漫画に仕上がっています。

異世界転生騒動記のあらすじ紹介

以下、異世界転生騒動記公式漫画サイトより抜粋です。

異世界マウリシア王国に生まれた貴族の少年、バルド・コルネリアス。なんとその体の中には、バルドとしての自我に加えて、守銭奴戦国武将・岡左内と、ケモ耳大好きなオタク高校生・岡雅晴の魂が入り込んでいた! 三つの魂は一つになって、戦闘訓練や領地経営で人並み外れたチート能力を発揮していき…!? 痛快異世界ファンタジー、待望のコミカライズ!!

異世界転生騒動記のネタバレ含む感想

この感想は単行本7巻を読んだ時点での感想です。

キャラクターについて

主人公:バルド・コルネリアス

2つの違う人格が自分の中にいても共存できるメンタル強者な男子。さらに美人だけど度を超えて厳しい母親にも揉まれてたくましく成長していく。
先天的なものと後天的なもの、両方に恵まれてるんじゃないかと思うものの、変わりたいかと言われれば絶対NO!な厳しい道のりを歩まれてます。
あと中の人(守銭奴戦国武将・岡左内)の影響からか尋常じゃなくお金が好き。うん。それは全裸で金貨の山に飛び込むほどに。この部分は確実に変態の領域足を踏み入れてます。
ああ、そうだ。中の人(ケモ耳大好きなオタク高校生・岡雅晴)の影響からか尋常じゃなくケモ耳が好き。うん。それはヒロインのセリーナからボコボコにされるくらいには。そうHENTAI。

でも主人公だもんね!やるときはやる!
HENTAIたちの知識を借りて、まずは内政から着手。砂糖をテンサイという野菜を密かに育てて商会を経由し販売。巨額の富を手に入れる。
内政はその他にも新たな手法で金細工を販売したりと辺境の地の領土を豊かにしていく。

ちなみに中の人もHENTAIなだけじゃないよ。岡左内は戦闘の達人で、個人的に結構好きなセリフ「戦とは、生きることとは、死ぬこととは、楽しきことぞ!!」があります。
岡雅晴も現代の知識を動員して、砂糖なり金細工なり髪のトリートメント剤なりを開発していって、主に内政方面で活躍してます。

その後、なんやかんやで、国王の4男と知己となり、国王からも一目置かれるようになる。(この国王と宰相のコンビも中々面白い)
そして王女の伝染病治癒に貢献したことが決定打となり、国王から男爵の地位を与えられる。さらに、隣国サンファン王国への使者に任命されるなど出世街道まっしぐらだが、サンファン王国でも結構危険なことも多かったりで幸運か不幸かは紙一重な感じで立身出世していきます。

イグニス・コルネリアス&マゴット・コルネリアス

主人公バルドの両親。イグニスが父親でマゴットが母親。両名ともに武勇に優れる。
この二人の夫婦漫才を超えた生死のやり取りがこの漫画の魅力の一つ。
でも、マゴットも日記ではかなり乙女なんだぜ☆

バルドのとある出来事がきっかけで第2子を授かるが、その過程も面白いです。
イグニスと書いて漢と読む。

セイルーン

主人公バルドのメイド。マゴットからはバルドに悪い虫が付かないようにとお目付け役も仰せつかっている。
セリーナとは、バルドを巡って火花バチバチ。
なお男装の麗人で女の子大好きテレサからロックオンされており、テレサが訪ねてくるたびに胸を揉まれている模様。

セリーナ・サバラン

若くして商会を営むケモ耳娘。バルドとは砂糖や金細工を流通させるなどビジネスパートナーでもあり、ケモ耳好きということもあり良い関係になっている。
バルドがサンファン王国に旅立つ際に、セイルーンとともにプロポーズされて晴れて婚約者に。

シルク・ランドルフ・トリストヴィー

騎士学校で出会った美少女にして、トリストヴィー王家の血をひく方。
その生い立ちから結構過酷な運命が待ち構えている模様。

アガサ・マイルトン

7巻でバルドの婚約者になっちゃったドS嬢。
事務処理能力が極めて高くかなりの才女。あとドS。(重要なことなので2回目)

世界観について

そこまで大々的に目立ってはいないものの、魔法もあるヒロイック・ファンタジーな世界です。
過去の戦争や内乱の歴史などもしっかりとした設定がされており、その世界観がキャラクターをより魅力的に引き立ててます。

世界地図は全貌は分かっていないものの周辺国の状況は解説されている。
獣人など亜人もいる。そこまで突飛な設定がない分、どちらかというと硬派な印象を受けます。

ストーリーについて

物語は辺境の地での幼少期から騎士学校に入学後の学校編、その後のサンファン王国に使者として赴く使者編、さらに褒美として自らの領土を得て領土運営をしていくというのが7巻までの大まかな流れです。
幼少期編は、母からの愛のムチを楽しみつつ辺境故に財政難の内政を改善していくところが見どころ。いやぁ、母の愛は偉大です。(棒読み)

騎士学校に行ってからは、新しい仲間と親交を深めつつシルクという美少女と出会いフラグを立てる。
そして騎士学校の模擬戦?では、先輩と戦うはずがなぜか校長と戦う羽目になったと思ったら、最終的にはまたまた母からの愛のムチを受けるという素敵な展開。
頑張れバルド!負けるなバルド!!

サンファン王国では、第1王子が疫病で亡くなり第2王子と第3王子の後継者争いの真っ只中にし者として赴くことに。
サンファン王国に着いて早々、第2王子(フランコ)・第3王子と謁見するがフランコがなんと男の娘っぽい風貌で、同行したテレサが大はしゃぎ。
テレサの積極的な行動にフランコも嫌ではないどころか、顔を真赤にしてしまう始末。そして瞬殺で堕ちる。この男の娘、ちょろいぞ。ていうかちょろいどころかバカップルになるってどういうこと!?

さて本編に戻りましてサンファン王国編の続きです。
フランコとテレサが結ばれてもサンファン王国内の後継者争いは続きます。
まずは軍部を手中に収めるべく行動を開始するが、それにはマジョルカ王国の海軍の支援を受ける必要があるとわかり、交渉に出向くがその相手が実に母親に似ている女傑で、バルト君涙目。
結局、実力を示すことで協力を取り付け、(実力を示した際に岡左内じいさんが出張ったせいで年上好きの女傑に惚れられるToLOVEるあり)、なんとかサンファン王国の情勢を正常化させ帰国することになったとさ。

サンファン王国から帰国したバルドは早速国王に謁見する。しかし、そこには悪巧みするときの笑顔満々の国王の姿が。。。
そんなこんなでバルドは、子爵になりなんと王国直轄領であるアントリムの領主に命ぜられるのであった。

このアントリムが結構な場所にある領地で、バルド君またも涙目。はい。戦争になったらいの一番にやられる最前線です。
そんな報告を聞いてバルド母が平静を保っているわけもなく、大荒れも大荒れになるのですが、ここは父であるイグニスが漢を見せます。(第2子を作ろうじゃないか→マゴットちょろちょろ)
一方のバルドは、新たな領地の内政・軍備などに勤しんでいたのだが…(7巻ではアガサの家の事情を解決するお話。まぁ、まとめるとSかMかって話ですね。

7巻もこの先が気になる終わり方をしており、今後も要チェックです!

異世界転生騒動記の評価

ものすごく尖った設定はないものの話自体が面白く、キャラクターも両親・国王宰相コンビなどところどころで味のあるキャラクターが出てきており、飽きさせないです。
アニメ化とかしたら売れるかと言われると、物語自体は面白いからといっても売れるかはわからないですし、ちゃんと観てもらえないと異世界モノというだけで敬遠されそうな気もします。
しかし漫画としてはかなりハイレベルと思われます!

ということで異世界転生騒動記の評価は、(ドラムロール)

★★★★星4つです!

異世界転生騒動記のご購入はこちら

本レビュー・感想を読んで、異世界転生騒動記を読んでみたくなった方は、以下のリンクからどうぞ。

異世界転生騒動記1 (アルファポリスCOMICS)

新品価格
¥711から
(2020/8/24 20:56時点)